SAPPORO SDGs

現場レポート

Report

2026.02.14

ガラスマットは振り向かない

最近日産シーマのレストアで話題になりましたよね。伊藤かずえサン。




弊社にもごくごく稀に仕事が流れ込んでくる
防水業界の中では異端児の材料

「FRP防水」
(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチックの略称)




今回はそんな防水業界のアウトロー的な
防水についてウンチクを。




船の本体(船底)や、車のバンパー、住宅のユニットバスの湯舟に使用されている、硬ったいプラスチックのようなものがFRPという材料。

割と身近な材料ですよね。



船などの工業製品は、型にFRPを塗り付け
ガラスマットを敷きこんで作り上げる。

硬化後、型から外せば商品の完成!



防水のFRPも、そんな工業製品の工程と全く同じで
コンクリートや木下地の上に直に塗り貼りしていきます。

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FRPの特徴は

軽くて強い。鉄の約1/5、アルミの約1/2の重さで
金属並みの強度を持つ。
金属と異なり腐食しないため、水回りや

屋外での耐久性が高い。
自由な成形性で、複雑な形状や

大型の製品を一体成形できる。
紫外線や雨に強く、電波を通す特性を持つ

(ガラスマットの場合)



工業製品と防水の違いは



防水には「型」という概念がないので
仕上がりは塗りこんだ状態の表面側になること。


船の内側を触れたことある方は分かると思いますが
ガラスマットの質感がそのまま感じられる
ザラついた側面側が仕上がりなんです。


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木造建築のバルコニーなどで多く採用されているFRP防水の場合、表面にザラつきが多くてはダメなので、厚めに塗り付けたり、ザラつきを機械で表面研磨して出来るだけツルペタに仕上げるのがFRP防水の定石。



防水としての評価も高く、仕上がりも美しいので
一時爆発的に流行した防水工法で、現在でも
ハウスメーカーはよくFRP防水を採用されています。



船底やプールにも使われるくらいだから
これほど最強の防水はほかにないんジャマイカ!?




大抵のFRP防水を紹介するページやSNSを見ると
ここまでの情報しか記載しておらず、

その内容を見る素人は「FRP防水って最強じゃね?」と錯覚してしまいますね。


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実は、FRPはその硬ったい性質のせいで、躯体の微妙な動きに弱く、
幹線道路沿いなどに建てられた揺れの多い建物だと「建物の揺れ」に追従できずにヒビ割れや剥離が生じやすい欠点があります。



施工した職人の技量に差も出る事象ですが
寒暖の差でもFRPは割れや剥離を起こしがちです。



そんな割れねぇよアホか!

と思ったそこの防水職人さん。あなたは井の中の蛙。



もう一つの欠点が
「FRP防水の改修工事にはFRP防水しか効かない」点。



何かしら事情があって

「改修工事はFRP以外の防水にしたいな」

と思っても難点があること。




以前はFRP防水下地の建物の改修見積もりは

既存FRP防水撤去か、
既存FRP防水と何かしらの絶縁を計画しなければ他の防水を被せられないことで有名でした。




近年の技術開発で
FRPの上にもアスファルト系貼り防水や
ウレタン防水などの改修工事が可能になりましたが
工程が増え施工価格も高くなる上に
お互いの材料の相性は◎ではなく〇程度。





↑ここ、非常に大事なところです。テストに出ます。





大体の防水屋さん、材料屋さんに相談すると
「あぁ~・・・」と表情を曇らせ
苦々しく「まぁ、出来ますよ」とたぶん大丈夫系の反応をされます。




実際に扱ったり、その前後の異種防水格闘技に参加したことがない業者ほど自信満々に安請け合いしがちです。




そして経年劣化したFRP防水の浮きや割れは、再接着は不可能です。
浮いている部分は完全撤去しなければ更なる剥離を呼び込み、その後の施工不良に繋がりかねません。

ここ適当な解釈で改修工事すると、そりゃもう街は大騒ぎ。




「One More Chance」は無いんです(皮肉




施工は正論の理屈だけでは完結しません。
実際の現場には、数字や見た目以上にさまざまな事情もあります。




のちのち何かと不都合を引き起こしやすい
手の掛かるわがまま娘・・・いや
厄介な防水が「FRP防水」と、
私は捉えています。







異論は受け付けます(受けるんかい)







ではまた、どこかの屋上で。

山本



※硬い=硬ったいと表現しています念のため
2026.02.10

目地にまつわるエトセトラ



立上を貼っている後藤サン。

この現場は㎡数が小さいだけに、3人も居ればあっという間に終わっちゃいます。








貼ったケツから、端末のガムシールを塗り、仕上げのシルバーコートを塗布していきます。

役割分担は特にないけど、誰が何をすればいいのか理解し、流れるように動けるのが職人。








田島ルーフィング製のマットシルバーは高級品だけあって綺麗!

最近は塗料の価格高騰が激しいので、田島ブランドでも高く感じなくなりました。














トーチをやる上で、職人・会社によって違いが出るのが
切り貼りする部位。

立上の床・天端の出隅端部を斜めカットをする人しない人。

同じく、立上の出隅入隅の貼り仕舞いの処理の違い。


また、巻き上げという床から立上まで一気に貼り上げるやり方。

シートの目地を、炙りで引く人引かない人。




「立上は全部切り貼りで」という会社も。

田島ルーフィングのメーカー推奨はいつからか全部切り貼り推奨になったようです。
しかも先張りで。




いち職人がが思うのは、
メーカーの言うことが大正義と思ってはいけません。

メーカーは材料の保証はしてくれますが、施工の保証はしてくれないんです。

施工した側がすべての責任を背負うのが日本の防水の常識。




世の中の防水職人さん!施工を疑問に思ったらきっとあなたが正解だよ!!







メーカー側や国交省仕様に、事例による事細かな貼り方なんか載っていません。

要は、水仕舞がきちんとしていれば、目地の入り方なんてどうでもよいんです。
縦だろうと横だろうと斜めだろうと。

防水は水が漏らないのが正義ですから。




長い目で見れば、シートのつなぎ目が無い方が
切れたり剝がれたりという事故を防げるのは至極理屈通りの話。

漏らなきゃどうでもいいですが、防水屋的に意外とどうでもよくないのがキモ。





立上床の斜めカットは多少の手間とコストが掛かるんですけどね。
この方が見た目が綺麗。





炙り目地引きも会社によって違います。

熱アスファルト出身の職人は目地部の剥離が怖いので
目地を引いて安心したいだけなんです。見た目的にも。

メーカーは目地を必要としていませんし
キチンとあんこ出して炙れば目地なんて引かなくても良いんです。




ただ、あんこを出すことを意識しすぎて炙りすぎると
表面が真っ黒に焦げてしまうのが難点です。

「トーチなんて焦がしてナンボだよ」

という輩も居ますが、いやいやいや、商品ですから。




防水性能が一番大事だけど、見た目だって大事でしょうが!

子供が食べてる途中でしょうが!





ではまた、どこかの屋上で。

山本






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